新着情報

Home > 新着情報 > 横浜支部 学術講演会報告

横浜支部 学術講演会報告

 

横浜支部 学術報告

平成28年3月13日(日)13時より(一社)神奈川県歯科技工士会大会議室において「目指せ 咬合調整の少ないクラウン(初級編)」という演題で遊亀裕一先生にご講演をしていただいた。

今回は今期専門学校を卒業した方や就業数年の短い方を対象として企画された講演会だったため、いつもの(一社)神奈川県歯科技工士会のイベントに比べて平均年齢がとても若いと感じられた。

最初に先生が歯科技工士として40年をどのように過ごしてきたか、社外研修での学び方、学んだことを自社に持ち帰っての活かし方を説明した。

本題に入り、咬合について、初心者向けに専門用語のひとつひとつを優しく解説を交えてお話頂いた。その話ぶりに先生の優しさが伝わってきた。臨床例を交えた咬合の話は動画もあり、それはとても解りやすく参加者は話に引き込まれていった。咬合接触点の話、模型上だけでは読みきれない歯周病の話など経験者にも興味深い話が続いた。

休憩を挟んで、1臨床例を口腔内にセットするまでのケースプレゼンテーションについて時間をかけてご説明いただいた。模型の観方、取り扱い、精度の高い作業模型製作、咬合器付着前の事前チェック、チェックバイトの考察、模型の観察方法、チェックバイトの再考察、咬合器装着、装着後の模型調整、ワックスアップ(咬合接触点の確認)、細かに注意点を解説された。また印象精度、模型の変形についての長年の臨床経験や実践していることについては先生の歯科技工士という職業人としてのこだわりを強く感じた。

補綴物は口腔衛生をよく考えて製作しているという先生はプロビジョナルを違う形態で3パターンテストし、実際にどの形態が患者にとって適した形態かを検証されていた。学校で学んだ理論に基づいたものと実際の口腔内でのブラッシングを考慮したものを比較し、形態について歯科衛生士と協議しているという話はとても参考になった。

また、歯科医師、歯科衛生士とのコミュニケーションを取り、信頼関係をしっかり構築することが重要であり、石膏模型から読み取れる情報は限りがあるため、画像データや歯周チャート表、X線画像などの情報の必要性を話し、提供して頂けるようになることが大切であると話された。そして、それを臨床に活用するためには画像データなどの提供して頂いた情報を理解出来る知識が必要で、歯科技工士もその勉強が必要だと話された。本当に口腔内に適した補綴物を製作するためには、そこまで勉強しなければならないのかと驚き、それを実践されていることに感服した。

 

今回は初級編ということではありましたが経験者にも大いに参考になった講演であった。続きをお聞きしたいと思ったのは私だけではないはず。ぜひ中級編へとこの講習会を続けて頂きたいと思う。

ご多忙の中、特別に超初級編の講演をお受けいただいた遊亀裕一先生にはこの場をお借りして深く御礼を申し上げます。また、当日は、青木会長にもご臨席いただき、重ねて御礼申し上げます。

参加者、会員23名、リンク会員3名、学生13名、未入会者13名で合計52名。

平成27年度横技 学術 4

平成27年度横技 学術 1横浜 学術

会員専用ページ

貸し会議室申し込み

Copyright © Kanagawa Dental Technologists Association. All rights reserved.